欽奉賀新年
欽奉賀新年
中国から渡来した詩の形態を漢詩と言い、律詩や絶句等があります。漢詩の多くは韻(いん)を踏んだり平仄(ひょうそく)を合わせてたりといった約束事があります。中には約束事にとらわれない漢詩もあります。
こう言った漢詩の中でも禅僧が作るものを「偈頌」(げじゅ)とか「香語」(こうご)といいます。その形は漢詩と少しも変わりはないが禅の意味、禅僧の境涯がそこに含まれているものです。禅宗寺院の行事では導師が偈頌をよく唱えます。
此処にあげた七言絶句の偈頌は平成二十六年正月一日の祝聖(しゅくしん)という行事のために作られたものです。
上平声十一真仄起格で作られています。
新歳(しんさい)
識ず叢林祝慶の新(しらず そうりん しゅくけいのしん。)
香山那裏又春に逢う(こうざん なりまたはるにあう。)
懶慵の頑禿茅檐の下(らんようがんとく ぼうえんのもと。)
夢に聴く梅枝鶯語頻なるを(ゆめにきく ばいしちょうごしきりなるを。)
皆様方のご多幸を祈念します。